2020年7月14日 伝える力

BU(◎)DOHです

池上彰さんの本を読んだことがなかったので、漫画版ですが読んでみました。

 

日誌

『伝える力』(池上彰・著)です。

 

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■『伝える力』とは、「話す・書く・聞く」力

第一章 相手の立場になって伝える

■どうすれば相手は関心を持つか

 相手の立場になって考え、話したり書いたりすることが大切 。伝えるために大事なことは、まず自分自身がしっかり理解すること。自分がわかっていないと相手に伝わるはずがないから。

■深く理解していないと、わかりやすく説明できない

 大人には通じる常識が子供には通じない。知識も社会経験も、大人に比べると少ないので当たり前。

■まずは「自分が知らないことを知る」

 自分がわかっていないと、人に性格に、わかりやすく伝えることは不可能。まずは「自分が知らないことを知る」。「伝える力」を高めるには、このことに気がつく必要があります。

■謙虚にならなければ、物事の本質は見えない

 理解を深めるには、自分がいかに物事を知らないかを知ることからスタートするしかない。そして物事に対する畏れを持つことも大切。謙虚にならないと何も見えてこないし、成長も上達もしません。まずは謙虚に人の意見に耳を傾けることから始めましょう。

■プライドが高い人は成長しない

 自信が過剰になると、得てして傲岸不遜になり、他者から学ぶことを拒むようになります。最も大事なことは「聞く耳を持つ」ことです。

■「難しいことも簡単に」書く、話す

 「簡単なことは簡単に」「難しいことも簡単に」。何かを伝えるときの基本。噛み砕いて意表現できるのは、そのことについて、深く理解しているからこそ。本質をしっかり理解していれば、優しい言葉に置き換えることは可能。

■相手の「へぇー」を増やす

 「伝える力」が高まったという手応えは、相手の反応を見ること。「へぇー」を増やすには、まず自分自身が「へぇー」と思うことも大切。

■カタカナ用語は社外の人には使わない

 社外や部外の人と接するときに使ってしまう、しかも当たり前のように使うと失礼に当たることもあり、伝わりづらい。専門用語や業界用語についても同様。

 

第二章 「聞く力」「褒める力」「叱る力」

■「よい聞き手」になるために

 常に「おかげさま」の気持ちを持って、陰口や悪口は慎み、相手の話をじっくり聞く姿勢を持つ。人は自分の話を聞いてもらうと存外嬉しいもの。初めて会った人が自分の話を熱心に聞いてくれると、親しみを持つし、高感度も増す。

■自分のことばかり話さない

 自分の話ばかりを延々とする人は、会社勤めをしていなかったり、その経験がほとんどなかったりした人たちだった。一概に言えることではありませんが、その違いがコミュニケーションの取り方の差になって現れた。

■その言葉に「愛情」はあるか

 相手に対する愛情が根底にあるかどうか、そして、互いの信頼関係が築かれているかどうかで、表面上は同じ言葉であっても、相手にあたる印象は大きく異なるもの。

■綾小路さんや毒蝮さんの毒舌が受け入れられるわけ

 滲み出る人柄から。容易な真似はくれぐれも慎む。

■相手の話に乗らないことで信頼を得ることもある

 ビジネスパーソンが信頼を得るためには口が堅いことが必要。

■叱るのは「一対一」が大原則

 わざわざ他の人がいる前で叱りつける必要はない。叱られている方は恥をかかされている意識が先にたって、注意している内容には意識が向かない可能性がある。

■褒めるときは「みんなの前で」

 叱る際にもう一つ大切なのは「叱る前に褒める」こと。褒めるときはみんなの前で褒める。当然言われた当人は嬉しいし、誇らしく思う。

 

第三章 もう1人の自分

■「もう1人の自分」を育てる

 物事を誰かに伝える場合は、独りよがりにならないようにすること。そのために「もう1人の自分」を持って、それを育てていうくとよい。

■1人ツッコミは意外に簡単

 書くときも話す時も、「もう1人の自分」を常に意識する。そして自分で自分にツッコミを入れてみる。実行に移せてこそ、もう1人の自分がしっかりとツッコミを入れていると言える。

■プリントアウトをして読み返す

 社内での企画書や上司に提出する報告書の場合も、少なくとも一回は見直すべき。「誤字や脱字に気がつく」「表現の不適切さ、幼稚さ、難解さに気がつく」「論理展開が未熟なことに気がつく」。見直す行為はできるだけプリントアウトをして行う。用紙を読むことで初めて「読み手」「第三者」の視点に立てる。

■寝かせてから見直す

 寝かせる期間は、長い文章であればできれば1週間ほど。書いているときや描き終えた直後には気がつかなかった不十分な点に気がつく。

■上司や先輩に読んでもらう

 どうしても自分の殻を抜け出せない部分は、自分の癖であったり自分の限界であったりするので「他者の指摘」は不可欠。開くことを専門の職業にしていないビジネスパーソンが、誰のアドバイスも受けることがないまま、わかりやすく、筋道の通った文章を書けるようになるとは思わない方が賢明。

■人に話しながら、書く内容を整理する

 周りの反応を観察し、再確認する。自分では面白いと思っていたのに、周りはさほど興味を持たないこともあるでしょうし、反対に自分ではそれほど面白くも重要でもない事項だと思っていたことに興味を示すこともあるでしょう。

■フォーマットを身につける

 報告書などをまとめる場合には、まず自社のフォーマットをしり、それに沿って文書を作成することが求められる。先輩や上司が書いた文章を見せてもらって研究すること。

■この言葉・表現は使わない①「そして」「それから」

 接続詞が多い文章は、幼稚になりがち。接続詞がなくても論旨が通るように文章の論理を研ぎ澄まさなければならない。この努力を続けていくと論理的で読みやすい文章が書けるようになるもの。

■この言葉・表現は使わない②順接の「が」

 順接や曖昧表現の「が」があると、文章は非常にわかりにくくなる。使わないだけで、文章は格段に読みやすく、わかりやすくなる。

■この言葉・表現は使わない③「ところで」「さて」

 論理の腰をおる。

■この言葉・表現は使わない④「いずれにしても」

 その直前までに書いていたことの論理に関係なく話をわかりませんにまとめる行為。場合によってはそれまでの論理の流れを否定しかねない。

■謝罪は危機管理になる

 悪いこと、例えば法令に違反した時などはもちろん、悪いことをしたわけではないけれど、周囲の期待に応えられなかったときにも、謝ることで、反感を買ったり、問題が大きくなったりすることを未然に防げることが多い。「正しいか正しくないか」とは別に「今、何をいうべきか」を判断する能力は、ビジネスパーソンに求められる資質。

 

この本の本質が第1章に詰まっている気がしました。もちろんいろんな伝え方や論理の組み方があるけど、そもそも第1章に書かれているようなことがしっかりしていないと伝わるものも伝わらないと。そんな気がします。

ただ、池上彰さんが記者出身ということもあり、かなり記者さんが重視しそうな項目が多いなあという印象を受けました。特に表現の方法や、もう1人の自分(第三章)は顕著でした。あくまで漫画版なので、文庫版がどうなっているかはわかりませんが、また時間があれば買ってみようと思います。

 

BU(◎)DOH