週40時間の自由をつくる超時間術
第1章 時間にまつわる3つの勘違い
勘違い1 物理的な時間がない
・日本人の労働時間は減り続けている
◎「時間がない」と感じるのはあなたの勘違い。まずは「忙しい」というのを完全に止めてしまおう。
勘違い2 やるべきことが多すぎる
・やることが多いのは自分の招いた災害
◎やるべきことが多いほど生産性は下がる。大きな成果を出すために行動を絞り込む。
勘違い3 忙しい人は仕事ができる
・男性は週25~30時間の労働がベスト
「本来の自由な時間」を有効に使う方法を考えていけばいい
時間不足は錯覚→時間ではなく「行動」で自己管理をする。最低限やるべきことを決めたらひたすら取り組む。どうしても時間を決めなければならない作業はアラームを設定する。
◎「時間がない」と感じるのは、時間感覚の歪みが原因。歪みを正せば物理的な時間も増えていく。
第2章 時間感覚を正す7つのフィックス
フィックス1 ゴールコンフリクトを正す
いくつもの目標や欲望がぶつかり合ってしまうケースがよくあり、「時間不足」の感覚を生み出す最大の原因だと考えられる。
・ゴールコンフリクト(目標が衝突し合う状態)の3パターン
1.わかっているけどやらないコンフリクト…欲望に負けてしまう
2.思い込みコンフリクト…「勘違い」が原因で目標の衝突が起きる
3.無知コンフリクト…知識が足りない。
・コンフリクト・リストを作る
1.今の目標を10個書き出す
2.10の目標から重要だと思う5つを選ぶ
3.5つの目標の「障害」を書き出す
4.それぞれの「障害」をコンフリクトのパターンに割り振る
・わかっているけどやらないコンフリクト対策
最も効果が高いのは「やるしかない仕組みを事前に作っておく」方法
・思い込みコンフリクト対策
自分の悩みを他人事のように見るテクニック。自分にとって最高の友人が同じコンフリクトに悩んでいる姿を想像しながら、頭の中で彼にアドバイスをしてみる。性格で冷静な解答ができる。
あえて不吉な未来をイメージすることで視点が広がり、思い込みを抜け出せる。
・無知コンフリクト対策
「知的謙遜」…簡単に言えば「自分の知識はどこまでが限界なのか?」をしっかり把握できている状態。「知的謙遜」のレベルが高い人ほど長い目で見て物事を学ぶスピードが早く、意見が違う相手からもどんどん知識を吸収していく傾向。
・無知の知を手に入れる7つの質問
ソクラテス式質問法
- 明確化の質問…問題の具体的なゴールはなんだろう?
- 前提の質問…問題についてわかっていないことはなんだろう?
- 証拠の質問…今の答えを事実だと考えた理由はなんだろう?
- 起源の質問…今の自分の考え方やアイデアはどこから得たものだろう?
- 結果の質問…問題を試したらどんな効果があるだろう?
- 視点の質問…他の人はこの問題にどう答えるだろう?
- 仮定の質問…今の答えの代わりに、どんな答えが考えられるだろう?
◎目標や欲望が衝突し合うと「時間不足」の感覚が生まれる。まずは「コンフリクト・リスト」を作ってみよう。
フィックス2 時間汚染を防げ!
「マルチタスク」は時間感覚を歪める大きな原因
・タスクシフト
気まぐれにやることを切り替えず、決められた時間(30分)でやることを切り替える。メールを見る時間も決めておく。
・TODO管理はインデックスカードで
・全く違う能力を使ったマルチタスクでは問題が起きない
ウォーキングマシンを使いながら本を読む、料理をしながら電話をする、皿を洗いながらオーディオブックを聞く
注意点
- すべての作業を同じ環境でやらない
- できなかった作業はため込まない
- 1時間を超えて仕事をしない
- 整理整頓をし過ぎない
◎脳は少しの変化でもパニックを起こす繊細な器官。作業の時間・切り替えのタイミングは事前に決めておこう。
フィックス3 呼吸を変える
・呼吸を変えれば時間も変わる
- 1から5まで数えながらゆっくり息を吸う
- 1から6まで数えながらゆっくり息を吐く
- これを10回繰り返す
・科学が認めた5つのすごい呼吸法
- サマ・ヴリッティ(等間隔呼吸法)…4秒かけて鼻から吸い、4秒かけて鼻から吐く
- 腹式呼吸
- 片鼻呼吸法
- カパーラバーティ…背筋を伸ばして座り、鼻からゆっくり息を吸い、下っ腹に力を込めて鼻から一気に息を吐き出す。10回繰り返す。
- スダルシャンクリヤ…1分間に3,4回のペースでゆっくりと呼吸を続け、鼻や喉を通り抜ける感覚に集中する。3~5分続けたら今度は1分に30回の短いペースで素早く呼吸を行う。1~2分続けた後、腹の底から「アー」と言いながら、できるだけ長く息を吐き切る。これを3回繰り返す。
◎時間が足りない感覚は呼吸法によって和らぐ。
フィックス4 リフレーミング
嫌な状況を前向きに解釈することで、ネガティブな感情に立ち向かうテクニック。
- 時間がなくて焦りを感じたら、「自分はワクワクしているだけだ」と声に出してみる
- 同じセリフを3回繰り返して、自分が言ったことを信じ込むように努力をする
・感覚のラベリング
できるだけ細かく自分の状況を説明していくのがポイント
・自分が不安を感じているという事実そのものは否定しない、自分の不安を認めながらそれでも不安がないかのように行動する
◎時間のプレッシャーでドキドキしてきたら、「ワクワクしてきた!」「興奮してきた!」と声にだそう
フィックス5 親切
他人のために時間を割いた方が、自分の時間を有効に使える→自己効力感
・正しく親切をする5つのポイント
- まずは相手に共感する
- 相手のミスに寛容になる
- 他人の人生にポジティブな影響を与える
- 他人に害がある行為は全力で避ける
- わがままな行動を我慢する
・親切を正しく使う4つのコツ
- 自分を犠牲にしてまで相手を助けない
- 「一日一善」より「週一五善」
- 親切は一年に100時間まで…1週間に2時間くらい
- 自分にとって意味のある親切をする
◎他人のために時間を使うと自分の時間を有効に使える。週に1日、5回の親切を積み重ねよう。
フィックス6 スモールゴール
小さな目標を設定する方法
不安とストレスが消え、結果としてモチベーションもアップする。余裕のある時間感覚が育つ。小さな達成感をコツコツと積み上げていく。
- 最長でも20分で達成できるゴールを作る
- 成功率が80%くらいの目標を心がける
- 自分の達成度を記録したノートを作る
記録する項目
- ゴールに直接関連したものだけ
- 友人やブログ、SNSに報告(公開)する
- アナログを優先すべし
フィックス7 自然
「自然」が時間の余裕を生むのは、私たちの心が日常から切り離されるから
・スマホの壁紙を自然の光景に変えるのも効果あり
「ウォーキング」を組み合わせて自然をみる。
第3章 それでも時間がないあなたに贈るストレス対策
一時停止リマインダー…人間はリマインダーさえあれば自然と意識がそちらへ向かう
背筋を伸ばす…両腕の腕を捻り、両の掌を外側に向けて胸を張った姿勢になったら、手を戻す
楽しい記憶を思い出す
貧乏ゆすり
ガムを噛む
不安になる時間を決めておく
動物の動画を見る
SIT…30秒だけ全力で体を動かす→3分間の休憩を入れる→再び30秒間全力で体を動かす(週に3回超はやってはいけない)
太陽の光を浴びる
筆記開示
ハンドマッサージ…親指の下を揉む
お笑い動画を見る
パワーナップ…午後1時〜2時の間に10~30分の昼寝をする
休暇の計画を立てる…できるだけ細かくプランを立てる
自分にとって有効なストレス対策をリストにしておく
・やってはいけない6つのストレス対策
ギャンブル
ショッピング
タバコ
酒
食べ過ぎ
ゲーム・ネット…はっきりとした目的意識がないまま、刺激の強い情報に気を取られてしまう
第4章 職場の「時間汚染」に打ち勝つ働き方
長時間通勤は私たちの生産性を下げる大きな要因となる。しかし、目的意識を持つことで有意義な時間にもできる。
ステップ1 プレップ
・これから私は何をしようとしているのか
・その行動の理由、目標、目的はなんだろうか?
・その行動は、どのように行えばいいのだろうか?
・その行動には誰が関わるのだろうか?
・目的を達成するのに必要な情報や人はなんだろうか?
ステップ2 ドゥー
ステップ3 レビュー
・いつどれぐらいの時間で目標を達成したか?
・準備通りに実行できたか?
・目標を終えた結果、前に比べて何が変わったか?
・準備を実行して何かわかったことはあるか?
・次に同じことが起きた時にもっとうまくやれることはあるか?
・ブレインストーミングよりブレインライティング
第5章 自分の時間を取り戻す8週間プログラム
1~2週 時間が延びる感覚を味わう(タスクシフト)
3~4週 乱れた時間感覚を整える(障害ベースのスモールゴール、プレップ・ドゥー・レビュー)
5~6週 時間を取り戻す準備を整える(効果的なストレス対策をリスト化、コンフリクトリスト)
7~8週 時間の呪縛を逃れる(リフレーミング、パワーブリージング)
8~時間を捨ててみる